(前置き)
遊園地の後の二人。
えんえんと二人のやりとりだけが続きます

Tell Me 〜おまけ


虎徹の家にて。
ソファに、虎徹とバーナビーが並んで座る。
笑顔のバーナビーから、ほとんど箱のような形状の紙の塊を渡された虎徹は膝の上に置き、 最初のページをめくった。
「えー、まず、第一章。スーツの目的。
第二章。全体図および概略設計図。
第三章。・・・グー・・・」
ぱっこーん!
「寝ないでください!まだ目次しか読んでないじゃないですか」
「ちょ、バニー!なんなの、今のツッコミ!?」
「ツッコミって何ですか。あなたが寝ようとするから、起こしただけです。
はい、続き」
「・・・バニーちゃん、コワイ・・・」
「虎徹さんが真面目にやらないからです」
「だってよー、ただ読んでるだけじゃ眠くなるって。
何かこう・・・ご褒美的なものでもないと」
「ご褒美?」
「1ページ読み終わったらイイコトがある、と思えば、おれもやる気出るわ」
「1ページって・・・せめて一章にしてください」
「一章って、この本、四章しかねえじゃん。こんなに分厚いのに、4回しかご褒美ないなんてムリ!絶対!」
「絶対って・・・」
「ヤダヤダヤダ。ご褒美なくちゃやらねーぞ」
「・・・子供ですか、あなたは・・・仕方ないですね。 では、ご褒美って、何をあげたらいいんですか?」
「そうだなー・・・じゃ、王様ゲームはどう?」
「なんですか?それ」
「おれの命令にバニーが絶対服従する」
「却下します」
「じゃあ、過去の恥ずかしい思い出を告白する」
「却下します」
「じゃあ、『よくできました』のチューをおれにしてくれる」
「・・・なんで僕の罰ゲームみたいになってるんですか」
「おれが楽しいから」
ぱっこーん!
「ちょ、バニー!なに!?なにに目覚めちゃったの!?今までボケだったじゃん!?」
「人に向かってボケとは何です。失礼な。 真面目にやってください。はい、続き、読んで」
「グー・・・」
「寝ないでくださいよっ!」
「あー、ムリだわ。学生時代から、活字見ると眠くなって・・・」
「じゃあ、これでどうですか」
「イテテテッ!なに、ほっぺたつねってんの!?」
「これで眠らずにすむでしょ」
「痛くて頭に入らねえよ!まったく乱暴な・・・もうちょっとこう、かわいくできねえの?
ああそうだ、お前、こないだのフリフリドレス着てくれよ。
でもって、『虎徹さん、お願い』って上目遣いでかわいく言ってくれたら、やる気でるかも」
「どうして僕がそんなことしなければならないんです?
もういいです。
あなたなんて、死んでしまえばいい」
「お前はどうしてそう極端なんだ・・・
それに、そんなこと言ったって、本当はおれのこと心配なくせに!
バニーちゃんはおれのことが大好きだからなー」
「・・・自惚れもはなはだしいですね。
どうしてそう根拠のない自信に満ち溢れていられるのか、理解に苦しみます」
「根拠ならいっぱいあるだろー。
さっきあの遊園地で、『虎徹さんが死んだらヤダー』って子供みたいにぼろぼろ泣いてたくせに」
「そんなことは言ってません!」
「要するに、そういうことじゃねえか」
「全然違います」
「べそべそ泣いてたしさ」
「泣いてません」
「泣いてたって」
「泣いてません」
「泣いてただろ」
「泣いてません」
「お前なー・・・もう少し素直になれよ。かわいくねーぞ」
「可愛いとか言われたくありませんから」
「・・・ま、お前の場合、そーゆー分かりやすい意地の張り方が可愛いんだけどな」
「本当にやめてください!僕、もう子供じゃないんで」
「童貞だし」
「・・・いい加減、しつこいですね。セックス経験があるのが、そんなに偉いんですか?」
「そりゃあ、経験あった方が上手くできるだろー」
「経験の量と技量の優劣は、無関係だと思いますけど」
「・・・なんだって?」
「だって、経験あるのに、ヘタじゃないですか」
「は?誰が?」
「虎徹さん」
「はああああ!?」
「え?もしかして怒ってます?」
「誰がヘタだ、誰がっ!!」
「なんで怒るんです?僕はけなしているわけじゃありませんよ。
別にヘタでもいいじゃないですか。
こういうのは、愛情の問題でしょう?上手くなくても、気持ちさえあれば、相手は満足するもの。
それは、経験ない僕なんかより、虎徹さんの方がよくお分かりだと思いますけど?」
「う・・・それはまあ・・・」
「別にヘタでもいいじゃないですか。
現に、亡くなった奥さんも虎徹さんに満足していたからこそ、楓ちゃんが生まれたんだし・・・ 子供は、夫婦の愛の結晶ですものね!」
「いや、まあな。・・・っていうか、お前、おれがヘタって決めつけようとしてるよな!?
言っとくけど、おれ、ヘタじゃねえからな!!
おれが本気出したら、すっげーからな!!」
「はいはい」
「お前、いま、鼻先でフッて笑ったろ!?」
「被害妄想ですよ」
「いーや、お前、信じてねえだろ。よし、今夜はおれの武勇伝を聞かせてやろう!」
「そんなことより、続きを読んでくださいよ」
「そんなこととは何だ!こっちの方が重要だ!!
こんなもの、ポーイだっ!!」
「ちょっと、なんてことするんですか!!仕様書、放り投げるなんてっ」
「童貞のバニーちゃんに、人生の先輩が語ってやろう!ありがたく聞けよ」
「どうせあなたの話は参考にならないので、結構です。
それより、仕様書、読んでください!」
「おれの話が先だ!」
「仕様書のが先です!」
そんなこんなで、ちっともページは先に進まないまま、夜だけが更けていく・・・

To be continued...

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(蛇足)
他愛のないことで言い争っている二人が好きvv
おじさんとバニーのやりとりを書くのは楽しいです
なので、書いてるうちに方向を見失いがち・・・




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